八卦の「乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤」は、漢字だけを順番に暗記しようとすると混乱しやすいものです。八卦は、それぞれを天・沢・火・雷・風・水・山・地という自然の象と結びつけると覚えやすくなります。
この記事では、八卦の基本順序、自然の象、五行、家族の象徴を整理し、初心者が無理なく覚える方法を解説します。卦象の図を丸暗記する前に、八つの働きを物語として理解しましょう。
八卦とは自然界の八つの基本的な働き
八卦は、陽爻と陰爻を三本重ねてできる八種類の卦です。易経の64卦は、この八卦を上下に組み合わせて生まれます。
八卦の基礎を確認したい方は、先に易経の八卦とはをご覧ください。ここでは「覚え方」に重点を置きます。
乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤と自然の象
| 八卦 | 読み | 自然の象 | 五行 | 覚える言葉 |
|---|---|---|---|---|
| 乾 | けん | 天 | 金 | 天は力強く動く |
| 兌 | だ | 沢 | 金 | 沢は喜び潤す |
| 離 | り | 火 | 火 | 火は明るく照らす |
| 震 | しん | 雷 | 木 | 雷は動き始める |
| 巽 | そん | 風 | 木 | 風は入り広がる |
| 坎 | かん | 水 | 水 | 水は低く流れる |
| 艮 | ごん | 山 | 土 | 山は止まり境をつくる |
| 坤 | こん | 地 | 土 | 地は受け入れ育てる |
まず「天・沢・火・雷・風・水・山・地」を覚える
漢字八文字と意味を同時に覚えるより、次の二段階に分けます。
- 乾兌離震巽坎艮坤を声に出す
- 天沢火雷風水山地を対応させる
乾は天、兌は沢、離は火、震は雷、巽は風、坎は水、艮は山、坤は地と、一組ずつ声に出します。毎日一度、表を見ずに言ってみると定着しやすくなります。
動きの物語で八卦を覚える
八つを一つの風景として想像してみましょう。
天(乾)の下に沢(兌)があり、火(離)が明るく照らします。雷(震)が鳴ってものごとが動き、風(巽)が遠くまで入り込みます。水(坎)は低い方へ流れ、山(艮)で止まり、最後に地(坤)がすべてを受け止めます。
この物語は古典の定型文ではなく、順序を覚えるための補助です。自分が思い出しやすい景色に置き換えて構いません。
五行でグループ分けする
五行を学んだ方は、八卦を五つのグループに分けると覚えやすくなります。
- 金:乾・兌
- 木:震・巽
- 火:離
- 水:坎
- 土:艮・坤
金・木・土は二つずつ、火と水は一つずつです。五行の相生・相剋は、五行とは?木火土金水の意味で解説しています。
家族の象徴で覚える
八卦には家族の象徴もあります。
| 八卦 | 家族の象徴 |
|---|---|
| 乾 | 父 |
| 坤 | 母 |
| 震 | 長男 |
| 坎 | 中男 |
| 艮 | 少男 |
| 巽 | 長女 |
| 離 | 中女 |
| 兌 | 少女 |
父母を乾坤として先に覚え、三人の息子を震・坎・艮、三人の娘を巽・離・兌としてまとめます。自然の象と家族の象徴を結びつけることで、八卦の性質が立体的に見えてきます。
卦象を覚えるときの注意点
線は下から上へ読む
卦の三本の爻は、下から初爻、二爻、三爻と読みます。図を上から読まないよう注意します。
陰陽の線を自己流で変えない
陽爻は一本の線、陰爻は中央が切れた線です。八卦の卦象は決まっているため、記憶だけで図を作らず、正しい資料で確認します。
方位は用いる八卦図を確認する
先天八卦と後天八卦では配置の目的が異なります。自然の象を覚える段階で、複数の方位配置を一度に暗記しない方が混乱を防げます。
八卦から64卦へ進む
八卦を上卦と下卦に重ねると、8×8で64卦になります。たとえば乾が上下に重なると乾為天、坤が上下に重なると坤為地です。
仕組みは八卦から64卦が生まれる仕組みで解説しています。64卦を実際の問いに生かしたい方は、易経64卦カードもご覧ください。
八卦を覚える7日間の練習
- 1日目:八卦の名前を声に出す
- 2日目:自然の象を対応させる
- 3日目:五行でグループ分けする
- 4日目:家族の象徴を覚える
- 5日目:正しい卦象を下から確認する
- 6日目:上卦・下卦を組み合わせる
- 7日目:資料を見ずに表を再現する
一度で完璧に覚える必要はありません。64卦を読む中で繰り返し八卦へ戻ると、自然に定着していきます。
易経を体系的に学びたい方へ
易経講座では、陰陽、八卦、64卦、384爻を順番に学びます。暗記だけでなく、卦が示す「時」と変化を人生や仕事の判断に生かす読み方を身につけます。
まとめ
八卦は、乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤を、天・沢・火・雷・風・水・山・地の自然の象と結びつけると覚えやすくなります。五行、家族の象徴へ少しずつ広げ、正しい卦象を下から確認しながら64卦へ進みましょう。

