互卦とは、本卦の内側にある流れを見る卦
易経で得られた六爻の卦を読み進めるとき、「表面に現れている状況だけでなく、その内側では何が動いているのか」を知りたいことがあります。そこで補助的に用いられるのが互卦(ごか)です。互卦は、本卦の二爻から五爻までを使って作る卦で、物事の内側にある構造、途中の経過、潜在的な働きを考える手がかりになります。
ただし、互卦だけで答えを決めるものではありません。まず本卦の卦辞と卦象、問いに関係する爻、変爻がある場合は之卦を確認し、その解釈を深める補助として互卦を用います。
互卦の作り方
六爻は下から初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻と数えます。互卦では、外側にある初爻と上爻を使わず、内側の四本を重ねて新しい上下の八卦を作ります。
- 互卦の下卦:本卦の二爻・三爻・四爻
- 互卦の上卦:本卦の三爻・四爻・五爻
三爻と四爻は、下卦と上卦の両方に使われます。つまり互卦は、本卦の中心部分を重ね合わせて取り出した六爻です。この仕組みから、表面に見えている卦の内部にある動きや、物事が進む途中の性質を考える方法として用いられます。
六爻から互卦を作る手順
1.本卦の爻を下から番号で確認する
最初に、本卦の六本の爻を下から順番に並べます。陽爻は切れ目のない線、陰爻は中央が切れた線です。上下を逆にしないよう、必ず初爻を一番下として確認します。
2.二・三・四爻で下卦を作る
本卦の二爻を互卦の初爻、三爻を二爻、四爻を三爻として、新しい下卦を作ります。三本の陰陽を見て、乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤のどの八卦になるかを確認します。
3.三・四・五爻で上卦を作る
次に、本卦の三爻を互卦の四爻、四爻を五爻、五爻を上爻として、上卦を作ります。ここでも三本の並びを下から上へ読みます。
4.上下の八卦を組み合わせる
できあがった上卦と下卦を組み合わせ、64卦のどの卦に当たるかを確認します。八卦の陰陽配列に不安がある場合は、先に八卦の基本を復習すると間違いを減らせます。
互卦から何を読むのか
表面に現れにくい内的な要因
本卦が現在の状況全体を示すとすれば、互卦は、その状況を内側から動かしている要因を考える材料になります。外からは順調に見えても、内側では調整が必要な場合があります。逆に、停滞して見える状況の中に、次の展開を生む力が育っていることもあります。
物事が進む途中の性質
互卦は初爻と上爻を除いた部分から作るため、始まりと終わりの間にある過程を考えるときにも役立ちます。計画の実行段階、人間関係が変わる途中、学びが身につく過程など、「まだ結論ではない時間」を読む補助になります。
本卦の意味を立体的にする
同じ本卦でも、問いの内容や変爻の位置によって読み方は変わります。互卦を加えることで、卦名の印象だけに引っ張られず、内外の関係を立体的に考えられます。ただし、互卦の象意を理由に本卦の意味を反転させるのではなく、本卦の理解を補う位置づけにします。
本卦・之卦・互卦の違い
| 種類 | 役割 | 作り方 |
|---|---|---|
| 本卦 | 問いに対する現在の状況と基本構造 | 立卦して得た六爻 |
| 之卦 | 変化が進んだ先の方向 | 変爻の陰陽を反転する |
| 互卦 | 内側の構造や途中の流れを補助的に読む | 二・三・四爻と三・四・五爻を組み直す |
本卦と之卦の関係は、本卦・之卦と変爻の基本で詳しく解説しています。互卦は之卦の代わりではなく、異なる角度から状況を検討する方法です。
初心者が間違えやすい点
上下を逆に並べる
爻は下から上へ数えます。紙に六本の線を書き、左に番号を振ってから二・三・四爻、三・四・五爻を抜き出すと確実です。
互卦を最初から中心に読む
判断の中心は本卦です。まず卦全体の意味をつかみ、必要に応じて卦辞・爻辞や変爻を確認します。そのあとで互卦を加えると、情報が散らかりにくくなります。
象意を一つの言葉に固定する
八卦や64卦には複数の象意があります。互卦に現れた卦を「必ずこの出来事が起こる」と断定せず、問いとの関係で何を象徴しているかを考えます。
互卦を読む基本の順番
- 問いを一つに絞る
- 本卦の卦象と卦辞を確認する
- 変爻があれば爻辞と之卦を確認する
- 互卦を作り、内側の流れを考える
- 問いに対する具体的な行動へ言葉を戻す
易経は卦の名称を当てはめるだけでなく、変化のどの段階にいるかを読み、今の行動を考える学びです。64卦全体を確認したい方は易経の64卦とは、各卦のページを探す場合は易経64卦一覧をご覧ください。
実際に読みながら身につける
互卦は、作り方を一度理解しても、実際の問いに当てはめると迷いやすい技法です。まずは本卦だけで解釈をまとめ、その後に互卦を加えたとき何が深まったかを記録すると、補助線としての役割が分かりやすくなります。
日常で64卦に触れたい方には易経64卦カード、体系的に学びたい方には易経講座をご案内しています。仕事や人生の具体的な問いを整理したい場合は、易経・氣学個別相談もご活用ください。
まとめ
互卦は、本卦の二・三・四爻で下卦を、三・四・五爻で上卦を作り、本卦の内側にある構造や途中の流れを読む方法です。本卦や変爻、之卦の判断を置き換えるものではなく、解釈を立体的にするための補助として用います。まず本卦を丁寧に読み、そのうえで互卦が示す内的な働きを問いと結びつけましょう。

